健康なんでも相談室

子宮筋腫と過多月経-鉄欠乏性貧血に注意

回答者:  鳥取県医師会理事 井庭信幸

質問

41歳、女性。3年前に子宮筋腫(子宮温存)の手術を受けました。以前から貧血になりやすいため、市販の鉄剤を服用していたので、血液検査を受けました。結果は赤血球467万、白血球6200、ヘモグロビン(Hb)11.7g/dl、ヘマトクリット(Ht)35.9%でしたが、今後鉄剤は服用しなくてよいのでしょうか。

回答

検査結果では今のところ、鉄欠乏性貧血の心配はなく、従って鉄剤の服用はしなくてよいと思います。血液検査は基本的には赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットで進めていきます。血清鉄の検査も必要です。一般に女子では、赤血球が350万以下、ヘモグロビン(Hb)11g/dl以下の場合は貧血と考えます。日常よくみられる貧血の大部分は小球性貧血の代表的疾患である「鉄欠乏性貧血」で、圧倒的に女性に多く、原因として子宮筋腫を疑います。

子宮筋腫に伴う過多月経は鉄欠乏性貧血になりやすく、動悸・めまい・息切れ・元気が出ない・食欲不振・疲れやすいなどの症状があれば、一度検査を受けることを勧めます。軽度の鉄欠乏性貧血であれば、食事療法で改善することがあります。鉄剤の服用中は定期的に検査を受け、改善していれば長期服用は止めましょう。