健康なんでも相談室

子宮・卵巣全摘出術

回答者:  鳥取県西部医師会員 石原幸一

質問

 57歳女性。52歳の時、子宮筋腫の手術をしました。その際子宮と卵巣を摘出しました。その後夫は気持ちが悪いといって性交渉がありません。子宮がないということは性交されないものか、出来ないことなのか、医者に聞いておくべきだったと後悔しています。術後5年過ぎております。

 

 

回答

 手術による変化は?

 

 文面からはご主人が何に対して気持ち悪いと思っておられるのか不明ですが、一般的に女性が子宮と卵巣の全摘出術を受けられたら、以下の3点で変化がみられます。 1)美容面:手術による創部はほとんどの人で跡が残り、体質によってはケロイド様になることもあります。現在は傷口が小さい内視鏡による手術(腹腔鏡下手術)が普及していますので、傷跡が気になる方にはこの方法が良いでしょう。 2)機能面:閉経前に両側卵巣を摘出しても更年期症状が必ず出るとは限りません。 ただ、女性ホルモンの欠乏による外陰部の萎縮や腔内分泌物の減少により夫婦生活がスムースにいかないこともあります。 3)精神面:子宮・卵巣全摘術による喪失感は、程度の差こそあれ、手術を受けたみなさんが感じることです。 いずれにしましてもご主人の理解と支えが必要です。もう一度ご夫婦で主治医の先生とお話しすることをお勧めします。