健康なんでも相談室

大腿部の痛み

回答者:  鳥取県東部医師会員 髙橋敏明

質問

60歳代男性。毎日夕食後30分程度ウォーキングをしています。10分~15分歩いた頃に太ももの付け根に痛みを感じて歩けなくなります。2~3分休むと痛みも和らぎ歩行することができます。何か病気があるのでしょうか。降圧剤を服用しています。

回答

整形外科で検査を

大腿のつけねに痛みがあるようですが、表側か裏側か、また両足か片足か、しびれをともなうかなど詳細はよくわかりません。しかしウォーキングをすることにより痛みがでるようなので、運動器の疾患を考えます。原因としてまず腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)など腰の骨の変形によるものが考えられます。年齢的にも60代と好発年齢ですし、休むことによりまた歩行できるようになるところが、間欠性跛行(かんけつせいはこう)とよばれる特徴的な症状に似ています。腰痛や下肢のしびれをともなう場合はより疑わしいと思います。

もうひとつは変形性股関節症や大腿骨頭壊死など股関節に問題があることがあります。股関節だけでなく殿部や大腿から膝にかけて痛みが放散することがあります。初期には動作の始めに痛みが強く、進行すると痛みは持続性となり、股関節の可動域(かどういき)がだんだん悪くなってきたりします。まず整形外科を受診してレントゲン撮影や必要に応じてMRIなどくわしい検査をしてみることをお勧めします。治療は病気の進行の具合によりお薬や生活指導で経過をみるものから手術を要するものまでさまざまです。