健康なんでも相談室

大腸内視鏡検査-技術改良し苦痛少なく

回答者:  鳥取県医師会常任理事 宮﨑博実

質問

50歳、男性。若い頃から便秘ぎみです。最近、時々便が細くなりますが見ためには出血などなく放置しています。大腸の検査は痛くて大変だと聞いていますので検査をためらっていますが、早く医療機関を受診すべきでしょうか。

回答

食生活の欧米化などによって、男女とも大腸がんは大幅に増え続けています。特に女性では2003年から、がん死亡率の1位になりました。

「大腸内視鏡検査は痛くて大変だ」とのことですが、機器の進歩、検査技術の改良などによって、熟練した医師が実施すれば、苦痛の小さな検査となっています。そして、内視鏡検査は小さな大腸がんを発見するのに最も有力な検査法であり、同時にその場で早期のがんやポリープを取り除くことができます。つまり精密検査と治療が同時にできる訳です。大腸がん検診の先進国である欧米では、症状がなくても5年に1度、少なくとも一生に1度は大腸内視鏡検査を推奨していると聞いています。日本でも同じ様な検査の実施が望まれます。何故なら、症状のない状態で発見された大腸がんの多くは、その後の経過が良好なことが知られています。ご質問では「時々、便が細くなる」という症状がありますので、早急に大腸内視鏡検査をお受けになることをお勧めします。