健康なんでも相談室

外部刺激によるしびれ

回答者:  鳥取大学医学部附属病院 和田健二

質問

外部刺激によるしびれ

60歳代男性。横になっている時には感じませんが、冷たい床に足をつけると足先がジンジンとしびれと歩行時に足底に空気の入った袋が挟まっているような感じがあります。いろいろな診療科での検査で異常なしと言われました。2つのしびれ症状の関連性と今後の対応を教えて下さい。

回答

異常に感じる錯感覚

しびれ感には、外部からの感覚刺激が加わらないのに自覚するしびれ感と、外部からの感覚刺激が加わった際に自覚するしびれ感があります。前者を「異常感覚」と言います。後者には、感覚を通常より強く感じてしまう「感覚過敏」、弱く感じてしまう「感覚鈍麻」、全く感じない「感覚脱失」の他に、「錯(さく)感覚」と言い、本来感ずるはずの感覚をそれとは別の感覚として自覚するしびれ感があります。錯感覚には筆で触ったのにザラザラした物でこすられたように感じる感覚変容と呼ばれるものもあります。

2つのしびれ症状は外部の刺激に対する異常な感覚であり錯感覚が考えられます。しびれ感を来す疾患には脳、脊髄、脊髄神経根、末梢神経などの神経系障害の他に、膠原病、代謝・内分泌疾患、悪性腫瘍、循環障害、外傷などがあります。

しびれ感の性状、分布様式、感覚の種類、症状経過を手がかりに原因をつきとめますが、いかなる検査を行っても原因が分からないことがあり、その場合には症状を和らげる対症療法が行われることがあります。お近くの神経内科へご相談ください。