健康なんでも相談室

変形性股関節症-進行例は人工関節手術を

回答者:  鳥取県医師会理事 明穂政裕

質問

59歳、女性。2年前に会社を辞め、農業を営んでいます。5~6年前から左脚の付け根が痛くなり困っています。1日中痛みを感じる訳ではないですが、激しい運動もしないのに就寝中に痛くて目覚めることがあります。何か運動で改善するような方法はありませんか。

回答

変形性股関節症が考えられます。本邦では70~80%が先天性股関節脱臼や臼蓋(きゅうがい)形成不全に起因する二次性のものです。寛骨臼(かんこつきゅう)と大腿骨頭において関節軟骨の変性と消失、骨の増生と吸収が同時に進行し、関節の位置と形状が変化していきます。進行すると高度の変形をもたらします。症状は運動時の股関節周囲の痛みで、初期では短期間で消失しますが、進行すると歩き始めや長距離歩行で痛みだし、睡眠が障害されることもあります(夜間痛)。痛み、下肢長差や筋力低下により歩行中体が左右に揺れるようになります。さらには動きが制限され胡座(あぐらをかく)が困難となります。初期では股関節周囲の筋力増強や体重を減らすことも有効です。進行例では骨切り術や人工関節などの手術が勧められます。整形外科専門医の診察を受けられ適切な方法を選んでください。