健康なんでも相談室

坐骨神経痛、痛み治らず-他の医師に意見求めても-

回答者:  東部医師会員 中島公和

質問

54歳、女性。昨年9月頃腰に痛みを感じましたが、旅館の配膳と片付けの仕事を続けておりました。今年1月の夜、腰の左側から足の付け根、左のモモに激痛が走り、立つことも歩くこともできず1ヶ月間入院し検査と治療を受けましたが、骨には異常ないものの痛みの原因は不明のまま「坐骨神経痛」との病名で退院しました。
その後、1ヶ月間自宅療養して仕事に復帰し、1週間に1度通院し、飲み薬、湿布薬のほか、時々根ブロック注射をしていますが依然として痛みはよくなりません。前屈み、座る、腰を捻る姿勢には強い痛みがあります。咳をしても腰に響き痛みを感じます。夜も眠れないほどです。最近では坐薬を使い、一時的に痛みを押さえています。

回答

腰痛はいろいろな原因で起こり内科、婦人科、泌尿器科などの病気でも腰痛を初発症状として起こります。また、整形外科の病気の中でも腰痛というのは一番原因病巣を確定しにくい場所でもあります。

ご質問は、入院の上詳しく検査をされても原因が判らないまま所謂坐骨神経痛ということで治療されていることに不安を感じられております。坐骨神経痛の説明をいたしますと、この神経は、脊髄より分岐した第5腰髄神経及び第1、2仙髄神経からなっており、その走行において何らかの原因で圧迫障害されますと臀部から大腿後面さらに足までの痛みやシビレを生じます。この痛みを坐骨神経痛と言います。仕事柄中腰での配膳や捻る動作は、非常に腰に負担が加わり、通常立位の状態よりも2倍以上の圧迫力が加わります。

入院時の症状からすれば、痛いなりにも現職に復帰されるまでに改善をしておられるようにも思われます。出来ましたら今まで築き上げてきた主治医との関係を続けられた方が良いと思いますが、どうしても痛みの原因を追求し、現在の治療に納得がいかないようであれば、主治医に相談の上、セカンドオピニオンを求めるということもできます。

主治医に了解の上、検査データ等をお借りして自分の希望する病院または医師に紹介状を書いていただき、他の医師の意見を求めるということも、一つの納得をする方法でもあります。