健康なんでも相談室

向こう脛(ずね)付近に痛み-運動量調整し安静に-

回答者:  鳥取県医師会監事 清水正人

質問

高校1年の女子です。普段はバスケットボール部に所属しておりますが、咋年の秋は駅伝部の助っ人として2つの部を掛け持ちしていました。最近はバスケットしかしてないのですが、駅伝の終わった秋頃から「向こう脛(弁慶の泣き所)」の内側が痛みます。特に部活の時間が長いときや、走り込んだ後に痛みがひどいのですが、このままクラブ活動をやってよいのでしょうか?

回答

向こう脛はいわゆる「脛骨(けいこつ)」といわれる骨の部分で、はっきりとした受傷機転が無く、練習量が多いスポーツやクラブ活動で、このやや下方内側に痛みが生じるとき(写真)は「シンスプリント(脛骨疲労性骨膜炎)」が疑われます。原因はスポーツ活動での衝撃、つまりストレスが加わり続けることにより下腿の筋肉(後脛骨筋=こうけいこつきん・長趾屈筋=ちょうしくっきん・ヒラメ筋)などが脛骨の骨膜を異常に刺激して起こると考えられています。一般的にアーチ(土踏まず)が低い偏平足や足首の関節が硬い人は衝撃を受けやすく、履いている靴のクッションや地面の硬さも影響してきます。治療は安静が第一です。症状が軽く、試合が近い場合は練習量を調整し、テーピングによる圧迫や練習後のクーリングでも改善することがあります。再発予防のためのストレッチやアーチを補正する足底板で衝撃をやわらげたり、練習量を含めた環境も見直したりする必要性があるでしょう。似たような症状でさらに激しい痛みや腫れを伴う場合は「脛骨疲労骨折」の疑いがあるため、最寄りの整形外科やスポーツ外来での受診・レントゲン検査をお勧めします。