健康なんでも相談室

反復性、慢性の胸痛

回答者:  鳥取県東部医師会員 吉田泰之

質問

反復性、慢性の胸痛

70代女性。昨年の7月ころから胸痛があり、心臓カテーテル検査を受けました。狭心症と診断されましたが、冠動脈はきれいと言われました。現在は左の胸や背中が痛だるく、歩くと痛みが響きます。医師からは肋間神経痛と言われます。

回答

原因多彩、狭心症の可能性も

反復性、慢性の経過の胸痛は、心臓、大動脈、肺、消化器、筋肉、骨、神経、乳腺など原因は多彩です。緊急性の高い疾患では、狭心症を考える必要があります。狭心症は、心臓の冠動脈の動脈硬化と、痙攣による2つのタイプのものがあります。後者は冠攣縮性狭心症と呼ばれ、早朝の安静時に多く発症し、自律神経の関与が考えられています。冠動脈はきれいという事ですから、動脈硬化ではなく冠攣縮性狭心症の可能性があると思います。これは現在内服しておられるアテレック錠®などのカルシウム拮抗薬やニトロといわれる硝酸薬で治療します。心臓そのものに異常のない心臓神経症も反復性、慢性の胸痛を生じます。内服しておられるワイパックス錠®などの抗不安薬で治療します。これらが歩行で胸にひびく痛みをきたすことはなく、現在の症状は、筋肉や骨、神経の痛みの可能性を考えます。現在かかりつけの先生とよくご相談下さい。