健康なんでも相談室

反復して出現する「鼻たけ」-「鼻たけ」の背景疾患を調べる-

回答者:  鳥取赤十字病院・病院長 生駒尚秋

質問

68歳 男性。中学生の時、蓄膿症の手術を受けました。その後、「鼻たけ」で苦しんでいます。若い時は、1年間で1回、最近は2~3年ごとに「鼻たけ」の摘出を受けております。神戸の友達からレーザー手術で良くなったと聞いております。鳥取県では、鼻孔からの摘出だけでしょうか。

回答

「鼻たけ」は鼻ポリープともいいます。ポリープという言葉は、くらげを意味します。「鼻たけ」は、くらげのようにぶよぶよしています。細菌と炎症やアレルギーのときに出現する細胞から出る物質が粘膜の一部を腫らして「鼻たけ」になると考えられています。

蓄膿症は、医学的には慢性副鼻腔炎といいますが、「鼻たけ」は、これに合併することが多いです。「鼻たけ」は上顎洞から出ることが多いですが、他の洞から出ると完全な摘出が困難なことがありますので再発しやすくなります。頻回に出現しておりますので、アレルギー性鼻炎に合併する「鼻たけ」の可能性もあります。

したがって、「鼻たけ」の背景にある鼻の病気の種類と部位、程度を明らかにすることが必要です。鼻汁や「鼻たけ」の細胞の検査やX線検査、CT検査などが必要です。

レーザー手術は、アレルギー性鼻炎の治療に使われます。アレルギーの場である粘膜をレーザーで凝固します。「鼻たけ」は鼻孔から摘出するのが一般的です。骨を含む摘出の時は、数日の入院が必要です。摘出後は、鼻の状態に応じた薬物療法、ネブライザー療法が必要なことがあります。