健康なんでも相談室

動かしたら肘が痛い-肘のどこが痛いかがポイント-

回答者:  鳥取市立病院整形外科副部長 森下嗣威

質問

61歳女性。昨年9月に重い荷物を持って旅行をしてから、腕の曲げ伸ばしねじりで痛みが出ます。整形外科を受診し、電気治療、軟膏、注射などで治療しましたが痛みが取り切れません。レントゲンは異常ありません。今後どのようにすればよいでしょうか。

回答

肘の痛みの診断では、肘のどこが、いつから、どのようにしたら痛いかが手がかりとなります。とりわけどこが痛いのかがポイントになります。今回ご質問をいただいた方の場合、具体的に肘のどこが痛いのかわかりませんが、重い荷物を持ったのがきっかけで、動かすときに痛みがあるようです。この場合、急にリウマチのような病気になったとは考えられません。実際レントゲンでも異常はなかったようです。

この様な痛みにはいくつかのものがあります。肘の外側で、手首をそらすと痛みが出るものを肘外上顆炎といいます。。肘の内側で、手首を曲げたり手をしっかり握ったときに痛みがでるものを肘内上顆炎といいます。また頻度は少ないですが、肘を曲げる側の外側の柔らかく引っ込んだところに圧痛がある場合、橈骨神経管症候群というのがあります。この疾患は痛みが肘だけではなく前腕にも放散します。

治療はまず安静です。全く肘を使わないと言うのではなく痛みが出ないようにかばってください。その上で注射、お薬、温熱療法などを行います。なかなか頑固な痛みですけれど、きちんと治療すれば1から3ヶ月で楽になります。しかし痛みが楽になった分だけ働き十分な安静が保てないのが現実で、この方のように長引く人があります。根気づよく治療してください。