健康なんでも相談室

保育園で夏風邪が流行-栄養取って規則正しく-

回答者:  鳥取県医師会理事 笠木正明

質問

もうすぐ1歳になる男児です。先日、上顎や腕、足などに発疹がでて、微熱もあり、機嫌も悪く、小児科を受診したところ「ウイルス性の風邪です」と言われました。通園している保育園では「プール熱」や「手足口病」などが流行しているので心配しています。流行性の病気が蔓延しているときには、保育園に行かせないほうが良いのでしょうか。日常生活の注意点などを教えて下さい。

回答

“かぜ”の80~90パーセントはウイルス感染が原因で起こりますが、そのウイルスの数は200種類以上あるといわれています。夏季には、暑くて湿度が高い環境を好むウイルスで“夏かぜ”が流行することがあります。手足口病はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスで、プール熱(咽頭結膜熱)はアデノウイルスで、ヘルパンギーナはコクサッキーウイルスで起こる“夏かぜ”の代表です。高熱だけでなく、下痢を起こしたり、特徴的な発疹や口内疹が出ることもあります。

幼小児は、そもそも感染防御能が未熟で“かぜ”にかかりやすく、体の免疫力が低下しているときにはさらに感染しやすくなります。夏季では、暑さやエアコンのかけ過ぎによっての疲労や食欲不振、寝不足の状態になると免疫力も低下します。そのため、夏季の日常生活においては、衣服や帽子などによる暑さ対策、エアコンの上手な利用、汗を大量にかいた時の水分補給や、食欲が落ちている時には消化のよい食事を少しずつでも摂れるようにし、早寝早起きの規則正しい生活をしたいものです。

保育園で“夏かぜ”が流行している時、日頃から“かぜをひきやすい”児は、保育園を休園することも一つの予防方法ですが、あまり神経質にならず、その園での流行状況やその折々のその児の体の状態とかを“かかりつけ医”の先生と相談して決めて頂くことが一番よいと思います。

しかし、いくら注意していても“夏かぜ”をひいてしまうこともあります。“夏かぜ”をひいたときは「免疫力が落ちている」という体からの警告と思って、栄養をしっかり摂り、ゆっくり休ませることが早期回復につながります。