健康なんでも相談室

乳癌検診

回答者:  鳥取県東部医師会員 山口由美

質問

40歳代女性。最近、乳癌になる人が増加しているとききますが、乳がん検診は2年に1回で大丈夫なのでしょうか?

回答

2年に1度の検診を

乳癌は女性がかかりやすい癌の第1位となっており、国内では年間5万人以上の患者さんが発生しています。乳癌検診の目的は、早期発見をおこなうことで、乳癌の死亡率を減少させることにあります。海外の報告では毎年の検診から2年に1度の検診に変えても、乳癌の死亡率、生存率に変化がなかったとされています。即ち、2年前に異常のなかった人が次回の検診で乳癌が発見されても、多くの場合は早期癌で、生命を脅かすほどの進行癌となることは少ないということを意味します。従って、基本的には、定期的な自己検診に加えて2年に1度の検診を受けていただくことで、早期発見が十分可能であると考えます。

日本と同様に海外の多くの国でも、マンモグラフィを用いた乳癌検診は2年に1回となっています。しかし、50%を超える欧米各国での検診受診率に比較して、日本では20%程度と非常に低い状況です。是非、多くの方に検診を受けていただくことをお勧めします。