健康なんでも相談室

主婦を悩ますあかぎれ-家事を工夫し、保湿して

回答者:  中部医師会員 伊藤文利

質問

54歳女性。寒くなり手、指にあかぎれが生じ、指の皮膚が割れて痛い。主婦なので、食事前後の洗い物時が特に困る。本症の予防法、対処法等を教えて下さい。

回答

あかぎれは年齢,季節を問わず1年中女性を悩ませる皮膚病で、特に全指腹、手掌、足裏、かかとに集中する。患部が皮脂欠乏により乾燥し,弾力性を失い、細いひびが割目を形成し、赤くただれ、強いかゆみを伴うのが「ひびわれ」で、「あかぎれ」は更にそれが悪化し、より深い裂け目となり血がにじみ、痛みを伴い、油脂不足となり、ごわごわ感の皮膚になる。内因として遺伝、血流の変化、ホルモン異常等があげられ、外因的には寒さ、炊事、洗濯、洗髪、消毒液等が皮膚を傷つけ,結果として患部は血行不良,栄養不良に陥り難治の皮膚病となる。

治療は皮脂欠乏を改善する意味で保湿剤、油脂軟膏ワセリン等塗布を根気よく繰り返す、かゆみが強い時はステロイド軟膏を塗布する。予防は手洗い回数の制限、2重手袋、家事工夫、防寒手袋着用等を心がける。悪化防止には洗剤、有機溶媒、毛染め、バンドエイド等の使用時に細心の注意をすべきです。なお、本症は主婦湿疹、凍瘡、水虫等と誤診されやすいので皮膚科受診を勧めます。