健康なんでも相談室

レントゲンに写らない膝痛

回答者:  鳥取県東部医師会員 岸 隆広

質問

63歳女性。時々座っていて立ち上がろうとした時に、左膝の裏側が急に痛くなり全く左足が動かせなくなります。ゆっくりと痛い場所をもんでいると「コキッ」と音がして数分で治ります。原因と治療方法を教えてください。一度整形外科に行き、レントゲンを撮られましたが異常ないとのことでした。

回答

MRI検査が有用

膝関節のレントゲン写真は骨の状態を見る検査です。しかし骨の他に、骨の表面を覆っている関節軟骨や、関節の隙間にある半月板、骨と骨をつないでいる靱帯などがあり、これらはレントゲン写真には写りません。座っていて立ち上がる動作の時に、関節内に何かが挟まり関節がロックした状態になっているようです。挟まりがとれると元通りに動くようになっています。傷んだ半月板や軟骨のかけらの挟まりが原因の可能性があります。まずはMRI検査をお勧めします。MRI検査はレントゲン写真で写らない関節軟骨、半月板、靱帯などの状態を調べるのに有用です。

手術を考える場合は、関節の変形は進行していないようですから、関節鏡という小さなカメラを使って関節の中を覗きながら、原因を取り除く手術で良くなる可能性があります。専門医に相談しましょう。