健康なんでも相談室

メタボ健診は受けるべき?-受診して生活習慣見直す-

回答者:  鳥取県医師会常任理事 宮﨑博実

質問

年齢53歳、自営業、男です。

来年4月からメタボ健診が始まるようですが、私は身長165cmで体重が80kgもあり、健診でひっかかるのではないかと心配しています。これまで、元気で風邪さえもひいたこともありませんので、健診を受けたことがありません。このメタボ健診は必ず受けなければならないものでしょうか。

回答

平成20年度から始まる特定健診・特定保健指導では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目して健診後に効果的な保健指導を実施することにより糖尿病等の生活習慣病を減少させることをめざしています。

メタボリックシンドロームは、内臓に脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満)を共通の要因として、高血糖、脂質異常、高血圧を呈する病態であり、それぞれが重複した場合は心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクが増大します。内臓脂肪を減少させることでそれらの発症リスクの低減が図られることが分かっています。すなわち、内臓脂肪型肥満に起因する糖尿病、高脂血症、高血圧は予防可能であり、また、発症してしまった後でも血糖、血圧等をコントロールすることにより、心筋梗塞、脳梗塞、人工透析を必要とする腎不全などへの進展や重症化を予防することは不可能なことではありません。

また、メタボリックシンドロームは、(1)自覚症状がないまま進行すること、(2)長年の生活習慣に起因すること、(3)疾患発症の予測が可能なこと、を特徴としていますので、是非ともこの特定健診を受診して頂いて、特定保健指導により受診者自身が、(1)健診結果を理解して身体の変化に気づき、(2)自らの生活習慣を振り返り、(3)食事や運動などの生活習慣を改善するための行動目標をたて、(4)実行・継続して健康に関する自己管理が出来るようになることが大切です。

従いまして、特定健診(メタボ健診)・特定保健指導は必ず受診されることをお勧めします。

なお、「日本人のメタボリックシンドロームの診断基準」を表に示します。