健康なんでも相談室

メタボリック症候群対策-日常生活の中に運動を-

回答者:  鳥取県医師会副会長 富長将人

質問

50歳代の男性。最近、「メタボリックシンドローム」という言葉をよく耳にしますが、どういうことなのでしょうか。また、世代的に、運動しなければいけないこと、食事に気をつけなければならないことは分かっているつもりですが、仕事上の飲酒もあり、帰宅も遅く、休日はゆっくりしたい気持ちが先行します。私のような世代で特に気をつけなければいけないこと、運動のポイントなどをお教え下さい

回答

以前から、肥満、高血圧、高脂血症、耐糖能障害(血糖値が高い)を併せ持った場合、動脈硬化が進展し易く、心筋梗塞や脳梗塞になり易いとして「死の四重奏」などと称されていました。最近、この状態はメタボリックシンドローム(症候群)と称されていて、わが国では、腹囲が、男性で85cm、女性で90cm以上であって、高血圧、高中性脂肪血症、高血糖のうち2項目を有している場合に、この症候群と診断されることとなりました。

腹囲が重視されたのは、腹囲が大きいと内臓周囲の脂肪組織が肥大していて、この肥大した内臓の脂肪細胞にはホルモンの分泌異常があり、このことが動脈硬化を進めるということが分かってきたからです。この症候群の人は、食事療法と運動療法でこの状態から抜け出す必要があります。

食事は、バランスよく必要な量だけ食べて余分に食べない、という糖尿病者の食事になりますが、体重を減らすには必要な量より更に少ない量にする必要がありますし、血圧が高い場合は塩分制限も必要です。アルコールもカロリーの計算に入れる必要があります。カロリー取り過ぎの原因として、男性はアルコール、女性は間食のことが多く、また、主食は減らしても副食が多くなりがちですので、留意しましょう。

運動としては、激しい運動を数分間するより30分ぐらい続けられる運動が望ましく、出来れば毎日、少なくとも週に3~4日はしたいものです。いつでも出来る運動として、少し早足での散歩が最適といえますが、時間が取れない場合、仕事等、日常生活の中に運動を取り入れる工夫をしましょう。少しずつの運動でも積み重ねると効果があることが、最近、分かってきております。