メタボリックシンドロームの人は、脳卒中や心臓病だけでなく、がんが多いと聞きましたが本当でしょうか。
悪役は内臓脂肪
ご存じのようにメタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積によって、糖・脂質の代謝異常や高血圧などの動脈硬化の危険因子が、一人に集積している状態です。
近年、内臓脂肪の蓄積によって、インスリン分泌の過剰や、アディポネクチンというホルモンの欠乏が生じ、がん化を促進することも分かってきました。 肥満によって増加するがんは、大腸がん・乳がん(閉経後)・子宮体がん・腎がんなどです。糖尿病の人は、肝臓がんのリスクが2.2倍、膵臓がんが1.5倍、また、中性脂肪の高い人は、1.7倍の結腸がんのリスクがあるという報告があります。大腸がんの危険因子となる食事は、ハム・ソーセージなどの加工肉、飲酒などで、食物繊維を含む食物や、牛乳やカルシウムは予防因子と言われています。また、運動することによって大腸がんの発症が減ることも分かっています。
「腹八分目に医者いらず」とは、昔から言われることですが、体重コントロールは、私たちの健康に予想外に大きなメリットがあるようです。