健康なんでも相談室

ヘルペス再発防止対策-ワクチンの早期開発望む

回答者:  中部医師会員 伊藤文利

質問

30歳女性。高熱が出た。医師は風邪と診断。3日後、解熱と同時に口囲に皮疹を認め、皮膚科でヘルペスと診断。以前、口唇ヘルペスになった事があるので今後の再発予防法を教えて下さい。

回答

口唇ヘルペス患者は季節や年齢を問わず、元気のよい若年者、特に免疫力が弱いとされる女性が圧倒的多数を占める。原因は初感染によって顔面神経節に潜んだヘルペスウイルス(HSV)が何らかの誘因で再活性し病変を起こす、他の原因は接触感染で、キス,愛撫など、そして食器、タオル等を介して他人のHSVが侵入して発病する。HSV再発誘因としてストレス、睡眠不足、過労、暴飲暴食、紫外線、かぜ、生理、制ガン剤やステロイド投与等がありますが、いくら体調管理に留意しても現時点での再発率は非常に高いと理解して頂きたい。幸い、優れた抗ウイルス化学療法剤(内服、外用)が登場し、本症は短期間で劇的に改善するようになりました。更に再発抑制療法も間もなく一般化されます。課題として再発予防の為のHSV用ワクチンの早期開発が望まれます。顔面にチクチク、ピリピリ、ムズムズ感が生じたら、あっ、ヘルペスだと自己診断し、直ぐに皮膚科を受診し治療を受ければ1週間程度で治ります。