健康なんでも相談室

ピロリ菌がいるかどうかを調べるためには?

回答者:  東部医師会員 安陪隆明

質問

54歳の女性です。先日、週刊誌を読んでいたところ、そこに「胃の中にピロリ菌という菌が住みついている人がいて、そういう人は胃潰瘍や胃癌になりやすい」と書かれていました。自分の胃の中にもいないかどうか心配なのですが、どうしたら調べられるのでしょうか?

回答

– 保険適応はあくまで胃潰瘍または十二指腸潰瘍の方のみ –

ここでいう「ピロリ菌」というのは、ヘリコバクター・ピロリという細菌のことだと思われます。この細菌は、1983年に発見された胃内に生息する細菌で、再発を繰り返す胃潰瘍、十二指腸潰瘍との関係が強く、除菌すれば胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発率が減少することがわかってきました。また、胃癌の原因にもなるという学説の研究も行われています。

日本では2000年11月より、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方に限り、検査や除菌療法が保険の適応となりました。胃内視鏡検査等を行っている内科の診療所、病院でしたら、概ねこの検査や除菌療法が可能かと思われます。ですから、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を発病された方は、この検査や除菌療法の良い適応となります。

ただし日本の保険上ではあくまで、「内視鏡検査または造影検査において胃潰瘍または十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者のうち、へリコバクター・ピロリ感染が疑われる患者」の方のみが対象とされています。胃潰瘍または十二指腸潰瘍を発病されておられるわけではないのに、この検査を受けられることは、保険診療外となります。どうしても検査を受けられたいということでしたら、経済的な面も留意されて、診療所や病院でご相談されることをお勧め致します。