健康なんでも相談室

パーキンソン病

回答者:  鳥取県西部医師会員 松田 潔

質問

 70代になるパーキンソン病の父のことです。ここ半年で症状が進んできました。パーキンソン病にはよくあるとのことですが、背中が曲がって胃に負担がかかり、食事が思うように摂れなくなりました。神経内科の先生には「消化器にかかって下さい。」と言われましたが、神経内科からアプローチできる事は何もないでしょうか?その他何か家族ができることがあれば教えて下さい。

 

 

回答

 薬の吸収が悪くなることも

 

 経過の長いパーキンソン病には自律神経障害として消化管運動障害を伴いますので、嚥下障害・胃の排泄障害による胃のもたれ・便秘症による腹部膨満感などを原因とした食事接種不良が考えられると思います。嚥下障害には食事のかたさの変更など、胃のもたれ感には消化管運動改善剤、便秘には便秘薬を使用し腹部マッサージなどを行います。また、背が曲がっているとそれだけで上腹部が圧迫されますので、食事の時に前かがみになりすぎないように気をつけてあげてください。ただし、年齢が70代ですので、胃食道ヘルニア・胃潰瘍・胃癌などの併発による症状であることも考えらえます。胃酸の変化で薬の吸収が悪くなり、パーキンソン症状の悪化をきたすことがありますので、一度は消化器内科の検査を受けてみられることをお勧めします。