健康なんでも相談室

ウオノメのよい治療法はないでしょうか?

回答者:  鳥取赤十字病院皮膚科部長 西浦清一

質問

大正生まれの男性。手と足にウオノメがあり、痛くて困っています。軽石のようなスポンジでこすっていたら、手のものはよくなりましたが、足のウオノメはいっこうによくなりません。痛みのために足をかばうのでこけそうになります。よい治療法はないでしょうか。

回答

ウオノメ(正式には鶏眼という)は角層の中心部が円錐状に皮下に向かって厚くなり、表面から見ると目玉のようにみえます。ウオノメが圧迫されると、圧力が角層の頂点に集中するため激しい痛みがきます。一方タコ(胼胝腫)は角層の厚さはほぼ一様で、中心に芯のような構造はありません。ウオノメとタコは皮膚に機械的な刺激がくりかえして加わることによっておこります。タコは手掌と足底が好発部位ですが、ウオノメの発生部位はほとんどが足です。

ご質問の内容からみて、手のものはタコで、足のものはウオノメでしょう。ウオノメは完全に治すことが難しい病気です。治療法は、機械的な刺激を取り除くことと厚い角層を除去することです。麻酔をして切り取る方法もありますが、再発が多いことと術後の痛みが強いことからあまり勧めていません。焼く治療法をお聞きになったようですが、この治療法は通常イボ(疣贅)に対しておこなわれます。

まず、足の大きさにあった適度なサイズの靴を履くことが大切です。また、ドーナツ状に穴のあいたパッドが市販されていて、足趾の痛みを和らげるのに効果があります。ウオノメの処置は、角質が非常に硬いときにはサリチル酸含有絆創膏(スピール膏)を貼って角質を軟らかくし、数日後に絆創膏をはがしてから角層をかみそりなどで削ります。爪切りを上手に使って芯の部分を取り除いてもよいでしょう。うまく芯が取り除かれると痛みは劇的に軽くなります。自分や家族でうまく削れないときには医療機関で削ってもらってください。完治はしないもののこの治療法をお勧めします。