健康なんでも相談室

インフルエンザの見分け方-突然の悪寒、一気に高熱-

回答者:  鳥取県医師会理事 吉田眞人

質問

インフルエンザシーズンになりましたが、インフルエンザと普通の風邪の見分け方について教えてください。

回答

今シーズンは1~2ヶ月も早くから流行が始まり、検出されるウイルスは、ここ数年流行していなかったA-ソ連型であり、大流行が予想されています。インフルエンザウイルスは、普通の風邪ウイルスより格段に増殖する力が強い為、インフルエンザは突然に発症し、症状が激しく急速に進行します。

のどの痛みや、鼻水、咳、場合によっては、腹痛、吐き気を感じたかと思ったら、間もなく凍りつくような寒気を感じ始め、体の節々の痛みと全身のだるさが出て、短時間(数時間~半日くらい)のうちに一気に38度~40度くらいまで熱が上昇します。顔は紅潮し、目は充血し、まさにインフルエンザです、と言わんばかりの、苦しくつらそうな顔つきとなります。高齢の方は、朦朧(もうろう)として腰が抜けたようになり、熱が出ていることに気がつかない家族の人が、脳卒中にでもなったのではないか、と心配して電話をしてこられたケースもあったほどです。このような症状が特徴ですので、参考にして判断してください。

インフルエンザは、鼻汁を採って検査をすれば、15分位で診断がつきます。しかしこの検査は、検査のタイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、陰性が出てしまうことがあるので注意が必要です。高熱が出てから24時間くらい経過してから、その後の2日間のあいだに検査するのが良いでしょう。例えば、夜に最高熱になったなら次の日の夕方以降に、という具合です。このときに、もう一つ参考となるのが状況証拠です。インフルエンザは、発病者と接触があってから、半日~1日位で発症しますので、もし早い時期に検査で陰性と出ても、自分の接触した人の中にインフルエンザの人がいて、最初に述べたような症状があれば、インフルエンザの可能性を考えて、治療を受けられたほうが良いでしょう。

また、治療薬であるタミフルの副作用が疑われている異常行動や幻覚等については、結論が出ておりません。とりあえず十代の若者には、タミフルは使用しないように、との厚生労働省通達が出されていますので、特に十代の方は、ワクチンの接種を受けておかれることをお勧めします。