健康なんでも相談室

どのようにかかわれば?「息子のひきこもり」―少し時間かけ安定待つ

回答者:  鳥取県立精神保健福祉センター 原田 豊

質問

20歳代息子のことで相談です。高校卒業後就職しましたが、2年後にいきなり退職し、その後自宅にひきこもった生活が続いています。もともと、潔癖症のようなところがあり生活のいろいろなことが気にかかるようですが、最近では大切なものをゴミと一緒に捨ててしまったのではないかと言いだしました。精神科を受診したところ、「強迫神経症」と言われましたが、本人が通院を嫌がり特に治療は受けていません。どのようにかかわっていけば良いでしょうか。

回答

ここ10年の間に、はっきりとした精神疾患がみられないけれども、自宅からほとんど出ない、仮に出かけても、コンビニや書店に出かける程度という「社会的ひきこもり」を認める人が増えてきています。その中には、学生時代は元気だったのに、就職して数か月で仕事を辞め、そのままひきこもってしまったという方もおられます。多くは対人不安や集団不安が高まった結果ですが、これに加えて、ささいなことを確認しないと不安になる、手洗いなどの行動を必要以上に繰り返してしまう「強迫行為」を認める人も少なくありません。

強迫行為に関しては、薬物治療により症状が軽減する場合もありますが、精神的ストレスそのものが減らないと、なかなか症状がすぐには治まらないこともあります。就労を支援するための制度や機関もありますが、本人の症状がある程度安定してからでないと難しいと思います。一日でも早く解決したいと言う思いはありますが、ここは少し時間をかけ、状況に応じてその都度のかかわり方を考えて行くことにしましょう。なかなかすぐに解決しないという不安もあるかと思いますが、本人が受診されないなら、改めて、ご家族の方が『継続的に』話のできる相談機関や医療機関にご相談いただければと思います。