健康なんでも相談室

これってまだ更年期?

回答者:  鳥取県西部医師会員 脇田邦夫

質問

 70歳の女性です。54歳頃より更年期症状に悩まされていましたが、10年位してやっと落ち着いてきました。しかし、その後も空腹での昼食時に一口食べたあと、急に血の引く様な感じ、動悸、さらに不安感が起こるのが現在も続いています。毎年、胃カメラ検 査を受け、逆流性食道炎の診断で禁物治療中です。さらに、頑固な便秘に悩まされています。不定愁訴(ふていしゅうそ)だと我慢するしかないのでしょうか?

 

 

回答

 適度な運動とストレス解消

 

 閉経の平均は50歳で、この前後の10年間を更年期と呼びます。45歳頃より卵巣の機能が衰えて来て、月経不順が起こってきます。それに伴い自律神経も狂って来るため、様々な身体的(のぼせ、発汗、めまい、動悸など)、さらに精神的症状(イライラ、不安 感、不眠など)が出現します。これらは、諸検査をしても異常がなく、所謂不定愁訴と呼ばれます。 若い人でも、精神的なストレスや急激なダイエットで月経不順が起こると、更年期と同じ様な症状が出ることがあります。 今回は、更年期症状が落ち着いたあとの、同じ様な自律神経失調の症状と思われます。対処として、自分を取り巻く環境にストレスがあればできるだけ取り除き、適度な運動も効果があります。薬物治療としては、漢方薬や自律神経改善薬などを試してみるのも良いと思います。ホルモン補充療法は、年齢的に血栓や乳癌発症のリスクが増えるため、適応から外れます。