80歳代前半の女性。足のくるぶしから趾先がしびれて履物を履いた感覚がわかりません。また5分位歩くとしびれが増強し、休憩しないと歩けなくなります。よい治療法があれば教えて下さい。
整形外科、神経内科医へ
昨年12月15日付けの相談室でも回答しましたが、手足のしびれを生ずる基礎疾患には多くのものが含まれ、神経系統の障害部位により、しびれの出現・局在が異なります。これらの多くは整形外科的疾患ですが、糖尿病性末梢神経障害、アミロイドポリニューロパチー、ビタミンB欠乏症などの内科的疾患では、対称性の手袋・靴下型やつぎはぎ型のしびれ(多発神経障害)をきたします。
お手紙の内容だと、くるぶしから趾先がしびれ、履物を履いた感覚がないとありますので、これが対称性だと、中でも糖尿病性末梢神経障害は否定できません。お手紙の内容でもう一つ特徴的なことは歩くとしびれが増強し少し休憩しないと歩けなくなる点です。しびれのみでなく痛みもあるようだと下肢の閉塞性動脈硬化症を否定する必要があります。その場合、冷感を伴い、足背動脈が触知できなくなります。
最後に、足の内側くるぶしの下にある足根管内で足底神経が圧迫されて生ずる足根管症候群では、足底や趾先がしびれますが、足首に繰り返し負担がかかった時にしびれが出現します。
これらの疾患は専門家により鑑別は容易です。治療方法を含めて整形外科医や神経内科医へご相談下さい。