健康なんでも相談室

いぼの痛くない治療方法は?

回答者:  東部医師会員 川口俊夫

質問

32歳男性。10年前より指にいぼができ始め、数ヶ月で10個近くに増え、2歳の長男にもうつってしまいました。皮膚科で冷凍凝固治療を受けましたが痛みが強いうえに再発しました。子供にさせたくありません。はと麦茶など市販薬を試しましたが効果ありません。なにか良い治療方法は?

回答

治療は根気よく~それぞれの治療には一長一短があります~

イボにも種々ありますが、ご質問のイボはヒト乳頭腫ウイルスの感染によるウイルス性疣贅(ゆうぜい)です。接触することによって他の人にもうつる可能性がありますし、つついていると自分にもうつし数が増えていきます。

日常良く見られるものですが、治療はご経験のごとく難渋することもしばしばです。ただ、現在保険診療で認められている治療は①液体窒素による冷凍凝固法②焼灼術③切除④ヨクイニン(はと麦)の内服治療の4つの方法しかありません。②③は局所麻酔をして行いますが多発しているものには行いがたく、焼灼または切除後に傷跡を残したりしますので、いぼの発生部位・形状・大きさなどによっては治療方法として選択することができません。④の内服治療方法は他の方法と併用して行うことが多く単独ではあまり用いられません。

以上のことから①の液体窒素による冷凍凝固法がどの施設でも治療法の第一選択として用いられます。確かに処置中と処置後二日間ぐらい痛く、嫌がられるのもよく分ります。皮膚科医も痛くない方法を種々考えてきました。保険医療としては認められていませんが、蛋白変性作用を有するグルタルアルデヒド、トリクロロ酢酸またはモノクロロ酢酸の外用方法、DPCP液を外用して接触皮膚炎を起こさせイボに対して免疫を作らせようとする方法、ブレオマイシンという抗がん剤を少量いぼに注射する方法(これも痛みを伴います)などがありますが、どこでも行っている方法ではありませんので皮膚科を受診される前に問い合わせて見てください。

1回で確実に脱落する方法はありません。根気よく続けてください。