健康なんでも相談室

「バネ指」術後の後遺症状

回答者:  鳥取県東部医師会員 山本清司

質問

68歳の女性です。2月上旬に右手親指の腱鞘炎(ばね指)の手術をしました。術後2週間以上になりますが、指のしびれと痛みがつづいております。タオルや雑巾が絞れず、はさみも使うことができません。薬は買って飲んでいますが、効きません。このような状態はいつまで続くのでしょうか。教えてください。

回答

専門医の受診を

指を曲げる腱が、指の付け根で腱鞘という「サヤ」でしめつけられ、屈伸が妨げられたり、途中で停止してしまったり、いわゆるバネ現象が生じてしまい日常生活に困った場合に手術を選択します。手術は締め付けの強い部分を開放し、腱を動きやすくする方法を用い、短時間で終了しますが、締め付けられた部分の数ミリ横には、指の感覚を司る大切な神経が存在しており、統計的にみると、手術例の約1割にしびれなどの後遺症状がみられると言われています。

ご質問の方は、術後早期から指のしびれと痛みが続いており、何らかの神経への影響が考えられます。今現在親指を使う動作が殆どできていない様なので、この状態が長期にわたりますと、関節や周囲の組織が固くなり、益々指の動きが悪くなってゆきます。お薬を服用しても現在の症状が変わらないのであれば、再度患部の神経の状態を見た方がよいのではないかと考えます。その際は、手の手術を多く経験しておられる専門の先生にご相談されるのがよいのではないかと考えます。