高血圧の薬を飲んでいる時、グレープフルーツを食べないようにと聞きましたが、本当でしょうか。
降圧薬は、その作用から「カルシウム(Ca)拮抗薬」「レニン・アンギオテンシン系抑制薬」「α、β遮断薬」「利尿薬」などがあります。グレープフルーツで作用が増強するのは「Ca拮抗薬」だけで、降圧薬すべてに影響がある訳ではありません。
グレープフルーツには、フラノクマリン誘導体という「Ca拮抗薬」の分解代謝阻害物質が含まれ、体内で薬の作用が増強し血圧が下がり過ぎる副作用が出ます。
薬とグレープフルーツジュースを飲み血液中の濃度を見た実験では、ジュースが少量でも大量でも、作用増強度は1.5~1.75倍とあまり変わらず、飲んだ初日が強く影響され、二日目には1/2~1/3に減衰します。この事から「Ca拮抗薬」服用中はグレープフルーツを食べないよう気をつけて下さい。うっかり食べてしまっても、あわてずその日は水分を多く取り安静に過ごして下さい。
尚、「Ca拮抗薬」の中で、ニソルジピン・マニジピンは強く影響を受け、ニカルジピン・ベニジピン・ニフェジピンへの影響はあまり強くなく、アムロジン・ジルチアゼムは影響を受けません。ご心配なら、内服中の薬を主治医に確認して下さい。又、近縁柑橘類のオレンジ、レモン、カボス、ミカン、ハッサク等は全く影響しません。