高血圧症治療中の60歳代女性。運動不足解消のためジムで運動しているのですが、運動した後に顔が真っ赤になります。また年中汗をかきやすく、手足が冷えやすいといった症状もあります。どういった原因が考えられるのでしょうか。
更年期、降圧剤の影響や甲状腺疾患の可能性
顔面が紅潮する直接の原因としては、皮膚内にある毛細血管が拡張して血液がうっ滞するために皮膚が赤くみえると考えられます。毛細血管は自律神経による支配を受けており、運動や怒り、不安、興奮等で交感神経が刺激されると血管は収縮し、刺激がおさまると血管は拡張します。特に運動後には体内に発生した熱を放散させるため、血管がより拡張しやすい状態になります。 一般に毛細血管の収縮・拡張に影響を与える要因として、更年期にみられる女性ホルモンのバランス異常に伴う自律神経失調(血管運動神経障害)や、甲状腺ホルモンの異常(甲状腺機能亢進症)、カテコラミンの異常などが考えられます。また血管拡張作用のある降圧剤(カルシウム拮抗剤など)を服用されていれば症状に影響している可能性があります。 ご相談の運動後の症状は更年期障害としてみられるホットフラッシュ(いわゆるのぼせ、ほてり)とは異なりますが、発汗異常もあり、甲状腺機能亢進症などの器質的な原因がなければ更年期における女性ホルモンの変化が影響しているのかもしれません。一度、主治医に相談されてみてはいかがでしょうか。