70代女性。2年位前から歩くと米粒を踏んでいるような感じがします。座っているときは痛くも痒くもありません。MRI検査で腰から来るシビレではとのことでベルトをしています。また、手足の爪が変色しており、「かび」と言われ薬を飲んでいます。頭部CT検査では異常ありませんでした。
神経内科などの受診を
米粒を踏んでいる感じは、足の裏に紙やナイロンが張り付いている感じ等と表現される錯感覚を疑います。この症状が左右対称にあれば多発神経炎型の末梢神経障害によると考えられます。触覚、痛覚、温度覚等の他の感覚は正常でしょうか。錯感覚を含む異常感覚にはズキズキする痛みやジンジンしびれる感じ等もあります。中枢神経(脳、脊髄)障害でも感覚障害は起こりますが、感覚障害の種類や分布、麻痺等の詳しい神経学的診察で障害部位が解ります。脊髄から四肢末端に行く末梢神経が障害されると筋力低下や感覚障害を起こします。原因には糖尿病、ビタミン欠乏症、膠原病の血管炎、薬の副作用、感染症、機械的圧迫によるもの等がありますが、不明の場合も多いです。詳細な病歴聴取と内科的検査、画像や神経伝導速度等の検査が必要です。神経内科に相談されると良いと思います。