46歳 女性。足の指の間の皮がむけたので、水虫だと思い市販の水虫薬をつけましたが、皮膚が赤くなり痒くなってきました。薬の効果はあまりないようでしたが、さらにつけ続けていましたら、その部分がジクジクして痛みまで出現しました。
水虫ではないでしょうか。
水虫の正確な診断名は白癬症(はくせんしょう)といい、カビ(真菌)の一種の白癬菌によって引き起こされる感染症です。人体のどこの皮膚でも、頭部、顔面、体幹、股間、手、足すべてに感染しますが、むれやすい部位である足の指の間がもっとも多くみられます。正確な診断をするためには、むけている皮膚の鱗屑(りんせつ)をピンセットでつまみとり、顕微鏡にて白癬菌を証明することが大切です。これは、皮膚科の専門外来で日常的に行われている検査で、5分ないし10分で結果がわかります。
足の皮がむけると外見上水虫に見えるかもしれませんが、ほかの病気かもしれません。よく間違われるのが「汗疱(かんぽう)」による皮疹で、汗かきの人に多く、単に局所の皮膚がむれたため角質部がふやけて白っぽく皮がむけ、ときにかゆみをともなうこともある病気です。水虫と思い込み市販の薬を塗ることでかぶれをおこし、質問のように汁が出て痛みまで出現することさえあります。この状態は外用剤による急性接触皮膚炎であり、ステロイド軟膏を使うことですみやかに症状を改善させることができます。
また、足の裏の皮が硬く厚くなりひび割れをおこしており、これをアカギレと思い込んで自家治療していたが治らず、皮膚科外来にて角質増殖型の水虫と診断される場合もあります。水虫の診断がなされたならば少なくとも3ヶ月は毎日外用を続ける必要があります。
ほかにも水虫に間違われやすい病気は多くありますので、皮膚科で正しい診断を受けてから治療することをおすすめします。