健康なんでも相談室

足が冷えて眠れない

回答者:  鳥取県医師会副会長 富長将人

質問

57歳の男性会社員。40歳頃より糖尿病を指摘されるも放置していました。昨年12月頃より足腰が痛み、受診しましたが、骨に異常なく、糖尿病による血行障害として内服治療を受けています。現在、足がひどく冷えて歩行が困難で、夜も眠れないくらいです。また、ここ1~2年で随分やせてきました。足の冷えを軽減する方法をお教えください。

回答

「まず糖尿病の改善を」

病歴からしますと、糖尿病を長期間放置されたために、神経障害と血管障害がかなり進行していて、そのための症状かと思われます。また、同封された検査結果では血糖のコントロール状況を示すHbA1cが今年初め12.5%とかなり高値でした。やせてきたのは、他の病気が無ければ血糖の高い状態が長期間続いたためと思われます。まず血糖を下げることが必要ですが、長期間高血糖が続いていた場合は、急に血糖が下がることにより治療後の神経障害といって下肢の痛みを生じたり、網膜症が増悪することがありますので、徐々に血糖を下げる必要があります。

足の冷感に関しては、足の血管がつまる下肢閉塞性動脈硬化症の可能性が考えられます。この病気が進行すると、歩くと足の痛みを生じ、休憩すると痛みが軽くなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)が特徴的な症状ですが、更に進行すると安静時にも痛みを生じることもあります。一度血管外科を受診されるとよいでしょう。血管の閉塞が高度の場合、手術という方法もありますが、軽い場合は内服剤でよい場合もあります。いずれにしても糖尿病のコントロールを良くすることが第一です。

食事療法を厳重にして、経過によっては内服薬あるいはインスリン注射が必要になるかも知れませんが、最終的には前述のHbA1cを7%以下にまで下げ、それを維持することで糖尿病による合併症の進展を予防しましょう。