健康なんでも相談室

白目の出血は、怖くない?

回答者:  鳥取県医師会常任理事 神鳥高世

質問

58歳、男性です。先日、朝起きて歯を磨いているときに、何気なく鏡を見ると、左目の白目の一部が真っ赤に充血していました。あわてて、近くの眼科を受診しましたが、結膜に出血しているけど心配ないとのことでした。本当に、大丈夫でしょうか?頭の血管が切れたりしないものでしょうか、大変不安です。

回答

眼球表面を被っている結膜(白目)のことを球結膜と言い、血管はその深い部分にあります。従って、白目の出血は深い所に出るため、「球結膜下出血」と呼ばれます。出血の程度は、点状の小出血から白目全体が赤くなるものまで様々です。原因としては、「打撲」やこするなどの「刺激」、せき、くしゃみ、強い鼻かみ、嘔吐、出産時の陣痛などの「いきみ」によることが多いと言われますが、実際には原因の分からないものが大部分です。通常は、放置しても日時の経過とともに後遺症もなく自然に吸収されますが、中には短期間のうちに何度も反復して出ることがあります。その場合には、動脈硬化症、高血圧症、糖尿病などで血管がもろくなっていたり、貧血、血小板減少症、白血病などで出血しやすくなっていることも考えられますので、眼科を受診し確認された方が良いでしょう。

また、他の眼科的な病気、例えば、はやり目の一種である急性出血性結膜炎やアレルギー性結膜炎で目をこすりすぎたときなどにも出血することがあります。球結膜下出血では無症状のことが多いのですが、これらの目の病気ではまぶたの腫れや目やにを伴います。

ご質問からこの方の場合、朝起床時に気づいたようですので、就寝中に布団や枕の端もしくは手でこするなどの機械的刺激があったのかもしれません。また、球結膜の血管は脳内の血管とは系統が異なりますので、脳出血の前兆ではないかと心配することはないものと考えます。