健康なんでも相談室

小刻み歩行

回答者:  鳥取県東部医師会員 下田 優

質問

 妻の歩行困難のことでお尋ねです。春頃から歩幅が非常に小さくなり頼りない歩きになりました。広告の記事にこういうときは水頭症(すいとうしょう)を疑ってみてはとありました。検査や治療法について教えてください。

 

 

回答

 神経内科などの受診を

 

 歩行の際、歩幅が狭くなった状態を小刻み歩行(こきざみほこう)と表します。小刻み歩行の原因となる病気は、ご質問の水頭症のほかに、パーキンソン病や、多発性脳梗塞(たはつせいのうこうそく)などの脳血管障害などがあります。水頭症では脳と脊髄(せきずい)を保護しながら腰あたりまで循環している脳脊髄液(のうせきずいえき)が、頭蓋(ずがい)内に必要以上にたまり脳などの機能に影響を与えます。高齢者では正常圧水頭症が多く、認知症(にんちしょう)や、尿失禁(にょうしっきん)を伴うこともあり、診断されれば脳脊髄液を抜く手術をする場合があります。パーキンソン病は歩行障害以外に、動作が緩慢になったり、手足にふるえがでたり、転びやすくなることがあり、通常薬物療法が行われます。ある種の薬剤の影響でパーキンソン病に似た症状を引き起こすこともあります。多発性脳梗塞の場合、歩行の際足が開き気味で小刻みになります。いずれにしても神経学的診察と、CT, MRIなどの画像診断が必要ですので、脳神経外科、神経内科を受診されることをおすすめします。