毎年子宮頸部がん検診を受けていますが、ついでに子宮体部がん検診も受けておいたほうがよいでしょうか。
検診担当医によく相談
ご存知の様に、子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがあります。このうち子宮体がんの診断は、細胞診、超音波検査による子宮内膜厚の測定、子宮鏡(内視鏡検査)と組織検査により行います(確定診断はあくまで組織診断)。このうち細胞診は子宮頸部のそれに比較すると診断精度が幾分低いことは否めませんが、スクリーニング検査として一定の有用性が認められています。我が国では1987年から子宮頸がん検診受診者の中から、不正出血などの症状のある人や疫学的特徴からハイリスクと考えられる人(後述)を選んで、細胞診による子宮体がん検診が行われてきました。
しかしながら、子宮体部の細胞採取に際して痛みを伴う可能性があること、神経反射により、時に一時的な血圧の低下を伴う場合があることなどから、昨年の厚労省による「がん検診実施のための指針」では、「子宮頸部がん検診の受診者のうち、子宮体部がんの有症状者およびハイリスク者に対しては、第一選択として、十分な安全管理のもとで多様な検査を実施することのできる医療機関の受診を勧奨すること。ただし、本人が同意する場合には、子宮頸部がん検診に併せて、適当な安全管理のもとで子宮体部の細胞診を実施すること。」としています。したがって、全ての子宮がん検診受診者が子宮体がん検診を受ける必要はなく、その必要性については検診担当医に判断を委ねられます。その意味で子宮体がん検診は、車検診より施設検診で行われるのが適切であると思われます。子宮頸部がん検診受診時に検診担当医によく相談して下さい。
こんな人は子宮体がんの検査を受けるべき
・月経が不規則または閉経後の不正出血がある人で、妊娠・出産の経験がない人(特に50歳以上の人)
・閉経が遅れている人(52歳以上)
・明らかな肥満のある人、高血圧・糖尿病のある人
・乳がんの治療などでホルモン療法を受けている人