73歳女性です。8年位前から坐骨神経痛でしたが、現在はかなり良くなり、グラウンドゴルフもできます。しかし、昨年の1月と8月に左足の甲に針で刺すような激しい痛みがきました。整形外科を受診し、注射などで落ち着きましたが、また起こらないかと不安な毎日を過ごしています。原因や予防について教えて下さい。
腰椎から出た坐骨神経は、お尻を貫いて太ももの後面を下がり、ふくらはぎを通って足に分布します。この神経の通り道が痛むのが坐骨神経痛です。脳の指令を下肢に伝え、下肢の知覚などを脳に伝える大切な神経ですが、その通り道の腰に悪いところがあっても坐骨神経の支配域である下肢に痛みを感じるのです。坐骨神経痛を病名だと思っている方がいますが、これは「咳」などと同じように単なる症状名です。
その原因として、高齢者では
変形性脊椎症―主に脊椎椎体の変形による病気。
脊柱管狭窄症―脊椎の神経の通り道が狭くなり神経を圧迫。
脊椎骨骨粗鬆症―骨が弱くなり椎体をこわしたりする。
脊椎すべり症―脊椎が正常のラインに並ばないで、前後左右にずれて神経を圧迫する。
などがあり、原因に応じた対策が必要となりなす。日常生活にも耐えられないような激しい痛み、尿失禁などの膀胱直腸障害や、下肢の筋肉の麻痺がどんどん進むような場合は最後の治療法として手術が必要です。
幸いあなたの場合はグラウンドゴルフを楽しんだり、自分でも良くなったと感じておられます。そんなに悲観することはありません。増悪時には鎮痛薬としての座薬や、硬膜外ブロックが有効です。また、医師の説明が一方通行となっていることが時にありますので、もう一度主治医の先生にその原因と予防法(自分にできること)などを十分に相談されてはいかがでしょうか。