歳を重ねると、将来認知症になって家族に負担をかけるのはいやだな、と考えておられる方も多いのではないでしょうか。
耳が聞こえにくくなると、他の人との会話がおっくうになったり、会合に出なくなったりして他の人との交流が乏しくなります。このためか、難聴は認知症発症の危険因子の一つとされており、2020年に「Lancet」に掲載されたLivingstonらの報告では予防可能な認知症の危険因子の筆頭に挙げられています。
手術や薬などで治らない難聴では、難聴を補う手段として補聴器が使用されます。しかし、補聴器は比較的高価な上、それぞれの人にしっかり合わせることは簡単ではありません。
補聴器には限界もあります。例えば、つえを使ったからといって、若い人と同じように走れるわけではないように、補聴器で若い頃と同じように聞こえるわけではありません。今よりもましになるだけです。
それでも最近のデジタル技術の進歩により、ひと昔前より聞こえやすくする機能が次々と出ています。ただし、多機能になればなるほど高額になります。
補聴器を作る際は、個々の希望や生活環境に合ったものを作る必要があり、使った後の再調整が必要です。このため、良心的な補聴器販売店では試聴期間や返品可能期間を設けています。一方で、高額の補聴器を売り逃げする、良心的ではない業者も少なくありません。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では補聴器相談医制度を設けています。テクノエイド協会には認定補聴器技能士、認定補聴器専門店制度があります。補聴器購入の際は参考にすると良いと思います。