大腸がんは、日本人が一生のうちで約10人に1人が経験するといわれている頻度の多いがんです。全部の臓器のがんの中で男性・女性ともに2番目に多く、死亡数は男性で2番目・女性で1番目に多いとされています。
進行度別にみると、早期の段階(ステージ0やステージ1)では9割以上の方が生存していますが、ステージが進むごとに生存率が低下し、最も進行したステージ4の5年生存率は20%未満まで低下します。なるべく早期に発見し、治療することががんで命を落とさないために大切です。
早期の大腸がんはほとんどが無症状で、早期発見のきっかけのひとつとなるのが検診による便潜血検査です。便潜血検査が陽性となり、精密検査で早期大腸がんが見つかった方が多数います。定期的に大腸がん検診を受けていない方は、ぜひこの機会に受けてみてください。
大腸がん発症の危険因子として喫煙・飲酒・肥満・牛、豚肉や加工肉の摂取があり、発症を抑える因子は食物繊維の摂取、運動習慣が挙げられます。食物繊維の摂取や定期的な運動は便秘解消にも効果があり健康増進にもなります。この機会に開始してはいかがでしょうか。
大腸がんの治療は進行度によって変わります。ステージ0や1などの比較的早期のがんなら内視鏡での切除が可能ですが、進行すると手術や抗がん剤が必要になります。内視鏡治療は体への負担が少なく非常に有用ですが、医療機関によっては行っていないところもあります。大腸カメラをする前に問い合わせてください。