保健の窓

白内障手術あれこれ

米子市 魚谷眼科医院 院長 魚谷 純

 

 

 白内障は目の中の水晶体が濁って視力が低下する病気で、手術によって視力が回復します。白内障手術は眼科の歴史と共にある昔から行われてきた手術ですが、現在、短時間で終わり患者さんへの侵襲が少なく、良好な視力が得られる手術に発展しました。多くの方が手術を受けており、皆さんの中にも身近な人から手術を受けた経験談をお聞きしている方が多いと思います。多くの人が手術は楽で、よく見えるようになったと感想を述べているので、白内障手術は簡単だと誤解されている方も多いと思います。

 一方、手術の発展に伴い、ただ見えるようになるだけではなく、より良い見え方の質が要求されるようになりました。手術後に思ったより近くが見えにくい、逆に遠方が見えにくいといった不満も時折聞こえてきます。とても敏感な目にメスを入れることにやはり不安があり、なかなか手術を受ける決心がつかず迷っておられる方も多いようです。

 私は眼科医として長年にわたり多くの白内障手術を行ってきましたが、昨秋自分も手術を受けました。そこで、現在の白内障手術に対する理解を深めていただくために、眼科医としての知識と患者として経験したことをお話しいたします。これから白内障手術を受けようと思っている方がより安心して手術に臨み、より満足の得られる手術結果となるよう、手術前後にどのようなことに留意したらよいか説明したいと思います。