保健の窓

脳卒中に負けないために知っておきたいこと

鳥取県立中央病院 脳神経外科 統括部長 脳卒中センター長 田渕貞治

~脳卒中の最近の話題~

 

 脳卒中は高齢者に多く、寝たきり、認知症、要介護の大きな原因疾患です。壮年期の人にもしばしば生じ、社会的損失にもつながります。脳卒中という病気はその名の通り、突然発症するのが大きな特徴です。脳卒中はいったん発症するとさまざまな後遺症を残すことが多く、しかも再発しやすい病気です。

 その危険性を減らす方法はありますが、残念ながら完全に防ぐことは難しいです。重要な原因の一つとして老化があり、昨今の長寿社会においては長生きすればするほど、誰もが無関係とは言えません。地震と同じで、起こることを前提とした対策が重要であり、現実的な対応策になるかと思います。今回は、その被害を最小化する方法について詳しくご説明します。 

 脳卒中は時間が勝負であり、発症したらすぐに病院を受診、ないしは適切に対応可能な病院に搬送されることが極めて大切です。それが皆さんやご家族の運命を左右することになると言っても過言ではありません。来院が遅れれば、いかなる治療も本来の効果を発揮することができません。脳卒中ではどのような症状が生じ、疑われた場合、どうすべきかについて、またその後の治療についてもお話します。

 今回は従来の市民講座とは少し切り口を変えた視点からお話しさせていただきたいと思います。

 一般的な市民講座でお話しする内容に加え、この数年間、医療関係者限定でお話ししてきた最近の脳卒中を取り巻く環境の大きな変化についても後半でお話したいと思います。 多少難しい内容も含まれますが、これは被害を最小化する方法や脳卒中と長くうまく付き合っていく事とも関係しますので、ぜひ最後までお聞きいただければと思います。