フレイルとは、加齢に伴い筋力や心身の活力が低下した状態のことを言います。多くの高齢者がフレイルの状態を経て、要介護状態になっていきます。日本では平均寿命に比べて自立した生活が送れる健康寿命の期間が、男性で約9歳、女性で約12歳短いと言われています。健やかな老後を過ごす健康長寿のためには、フレイルを防ぐことが大切です。また、フレイルになっても、少し頑張れば元の健康状態に戻ることも可能です。
フレイルの要因は大きく三つの要因に分かれます。1人暮らしや閉じこもりなどの社会的要因、判断力・認知機能の低下やうつなど精神的心理的要因、筋力や骨、さまざまな臓器が衰える身体的要因、これらが互いに影響し合いフレイルになっていきます。
フレイルかどうかは、フレイルチェックという方法があり、次の5項目が挙げられます。①半年で体重が2~3kg減った ②歩く速度が遅くなった ③運動を週に一度もしていない ④5分前のことが思い出せない ⑤ここ2週間疲れたような気がする。このうち一~二つが該当すればフレイルの可能性があり。三つ以上該当すればフレイルです。
フレイルの予防で重要なのは栄養・運動・社会参加です。栄養とは、タンパク質やカルシウムやビタミン摂取を中心としたバランスの良い食事摂取のことです。運動は、歩行バランスを良くするための片足立ち、下肢筋力を高めるためのスクワットなどです。今続けておられる運動があれば続けてください。社会参加については、ボランティアや就労が理想的ですが、サ-クルに参加したり友達と会ったりすることも有効です。楽しみながらフレイル予防をしていただき、健康寿命を延ばして健康長寿を目指してください。