高尿酸血症は血液中の尿酸値が上昇する病気で放置しておくと突然の激しい足の指の痛みで知られる痛風を起こすことは有名です。一方で高尿酸血症は尿路結石や腎臓病のみならず狭心症・心筋梗塞などの心臓病を引き起こす生活習慣病です。年々患者さんの発生が増加してその年齢も若くなり、最近では女性の患者数も増加しています。住民検診に血清尿酸値が取り入れられましたので、このシリーズでは高尿酸血症の放置で起る合併症とその治療さらに尿酸値を上げない生活習慣の工夫についてお話いたします。
男女問わず血清尿酸値が7.0mg/dl以上をいいます。この値を超えると体中に尿酸が溜まって病気を起こします。高血圧や糖尿病と同じように合併症が起るまで無症状ですので早期発見が重要です。
男女問わず血清尿酸値が7.0mg/dl以上をいいます。この値を超えると体中に尿酸が溜まって病気を起こします。高血圧や糖尿病と同じように合併症が起るまで無症状ですので早期発見が重要です。
高尿酸血症が持続すると関節に尿酸が溜まり突然の腫れと発赤と激しい痛みが起ります。この痛みは普通2週間前後で痛みに対しての治療なしでも無くなりますが決して病気が治ったわけでなく一定期間をおいて発作を繰り返します。
血清尿酸値が9mg/dl以上あると治療が必要です。また、高血圧、糖尿病や高脂血症をすでに持っておられる方は8mg/dl以上あると治療が必要です。
高尿酸血症は尿酸を過剰に作る方と尿酸が尿中に捨てられない方の二つのタイプがありそれぞれで治療薬が異なります。
更年期になるとホルモンの変調で尿酸値があがります。一方で食生活の欧米化で若い女性の尿酸値が上昇しています。
今回は血清尿酸値を上げてしまう生活習慣の特徴をお話してその対処について解説します。
どうしても早食い大食いになると満腹感がでるまでに大量の食事が入ってしまい尿酸値の上昇を来たします。食事に含まれるプリン体は尿酸値を上げるため注意が必要です。
飲酒は尿酸値を上げるため絶対量を減らすことが重要です。アルコールが尿酸値上昇に関連するのみならず含まれるプリン体が尿酸値を上げます。一日のアルコールの目安は一本の中瓶ビール、一合の日本酒、グラス一杯のワイン、一杯のダブルウィスキーまでです。特にビールはプリン体含有量が多く注意が必要です。
運動は生活習慣病に良いと言われますが、種類を選ばないと尿酸値を上げてしまいます。特に脈が急激に速くなる無酸素運動はいけません。有酸素運動は尿酸値を上げませんので一日7000歩の歩行、ジョギング、水泳、サイクリング、軽いエアロビクスダンスが推奨されます。
精神的ストレスは血清尿酸値を大きく上昇させます。たとえばゴルフスタートの緊張程度でも尿酸値は上がります。ストレスを解消する趣味を持つことが大切です。
高尿酸血症の方は尿が酸性になるために尿路結石や腎不全が起ります。動物性たんぱく質は尿が酸性になりやすいので尿をアルカリ性にできる海草類、緑黄野菜や牛乳を積極的にとる必要があります。
①肥満を解消させる。②水分を十分とる。③アルコール類を控える。④軽い運動を続ける。⑤ストレスを避ける。
結びに、鳥取大学医学部付属病院には高尿酸血症・痛風専門外来が新設されましたのでご利用ください。