保健の窓

忘れない 年に一度のがん検診

鳥取県医師会理事 吉中正人

内視鏡検診は究極の胃がん検診

胃がん検診の利点は、1)死亡率減少効果 2)QOL(生活の質)の向上 3)費用対効果の3点にまとめる事が出来ます。

胃X線検診受診者は未受診者に比べ、男性63%女性53%の有意な死亡率減少効果が認められるとする論文があります。

現在、鳥取県で広く行われている胃内視鏡検診は、X線検診に比べ、がん発見率は3倍、かつ早期がん率が高い、早期のがんは治療により長く生きられる。従って3段論法的に言えば、内視鏡検診は、更に有効であり究極の胃がん検診であると考えられます。臨床的には納得出来ますが「死亡率減少効果」を直接証明したことにはなりませんので、現在、厚労省研究班が鳥取県のデータを基に(個人情報には十分留意しながら)「症例対照研究」を行っています。来春には世界で初の論文が出る予定です。そこで今回その一部を紹介すると共に、問題点をわかり易く説明したいと思います。