「かぜは万病のもと」であり、「おかぜをおめしになる」と敬語で呼ばれる唯一の疾患でもあります。
かぜの予防に良い方法はあるのでしょうか?残念ながら、インフルエンザの予防接種以外には有効な方法はありません。65歳以上の高齢者において、約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があります。
かぜの対処療法には、漢方薬が有用です。
かぜの初期には葛根湯を、こじらせれば小柴胡湯を、長引けば補中益気湯を服用します。
インフルエンザと診断されれば、タミフルやリレンザという抗ウイルス剤が著効を示します。
かぜをこじらせて、発熱が続いたり、膿性痰が出るようになれば、肺炎の可能性があります。高齢者では、発熱がなくても、食欲不振、元気がない、失禁などの症状があれば肺炎を疑って、かかりつけ医を受診しましょう。
オーム、インコ、ハトなどの鳥から感染する肺炎です。鳥の排泄物に含まれるクラミジアシッタシが病原菌です。
温泉に行ったり、循環式風呂に入った後に肺炎を発症すれば、レジオネラ肺炎を考えます。適切な治療を行わないと、急速に悪化し、死に至る危険性のある重症肺炎です。
猫から感染する肺炎です。妊娠した猫の胎盤に病原菌がおり、分娩時に人に感染します。
今回のセミナーでは、以上の6項目を中心に、かぜと肺炎についてお話しをいたします。