保健の窓

「お酒と健康」そして「生活習慣病としての肝臓病」

鳥取県健康対策協議会公衆衛生活動対策専門委員長 植木壽一

 

今回の健康セミナーは、肝臓がテーマです。大切なことを「かんじん」と言い、「肝腎」または「肝心」と書きます。肝臓が人体に非常に大事なところであることの表現です。

肝臓を充分に理解し、いたわり、元気で楽しく過ごしましょう。「百薬の長とはいへど、よろづの病は酒よりこそ起これ」とは兼行法師の言葉とのこと。酒の功罪について、アルコール研究の大家、高瀬修二郎先生にご講演いただきます。

お酒を飲めるか否かは遺伝子が関係していることや、アルコール性肝炎や肝硬変、重症型急性膵炎、「休肝日」の意義、寿命を延ばすお酒の量などについてわかりやすくお話いただけます。

また、健康診断でよくみつかる脂肪肝を中心に倉吉出身の村脇義和先生にご講演頂きます。

脂肪肝の人はわが国では約千五百万人、国民の十五パーセント前後と推定されています。脂肪肝の患者さんは、高血圧、高脂血症を合併していることが多く、更には狭心症、心筋梗塞の発症率が高いとされていますので、できるだけ治しておく必要があります。脂肪肝は他の生活習慣病を引き起こす恐い病気であることの認識をもって、生活習慣の改善に努めることが大切であると強調しておられます。