健康ア・ラ・カルト

【18)小児の健康問題】  6)小児喘息の治療

質問

26歳、女性。3歳の男の子ですが、1年前に小児喘息の診断を受けました。発作で2回入院し、季節の変わり目や、かぜをひいたときなどに「ゼイゼイ」とせき込みます。現在、抗アレルギー剤と持続性の気管支拡張剤を朝夕服用しており、抗アレルギー剤の吸入液を朝夕吸入しています。小児喘息は大きくなると治ると聞きますが、こんな小さな子に毎日薬を続けても大丈夫でしょうか。何か他にしてあげることがあるでしょうか。

回答

◎予防的治療や環境整備が重要

小児喘息は、主として家のほこりやダニを原因とするアレルギー反応による炎症が、細い気管支の粘膜周辺で起こり、分泌物や気管支周囲の筋の収縮により気道が狭くなることによって引き起こされます。急性の発作であれば、気管支拡張剤の吸入で気管支周囲の筋が緩んで軽快しますが、その基には慢性的なアレルギー炎症が続いていることが知られており、そのために気道の過敏性がおさまりません。ですから、発作が治まっているときにこそ予防的な治療が必要です。発作をなるべく繰り返さないことが大切なわけです。現在内服されている薬や吸入療法はそうした目的で使われていると思います。適切な薬の量であれば安全に使用できると思います。小児喘息は大きくなると治ると言いますが、こうした治療を地道に続けることが、良くなる早道であると思います。その他、原因となるほこりやダニ対策、誘因となる煙や冷気、かぜなどの感染対策などの環境整備、喘息に負けない体づくりを考えてあげて下さい。

あせらずに、主治医の先生とよくお話しをしながら治療を続けて下さい。

(国立米子病院小児科・林原 博)