健康ア・ラ・カルト

【18)小児の健康問題】  4)小児の慢性的な口呼吸

質問

11歳、男児。いつも口を開けており、いびきも大きいです。起きているときも〝ハーハー〟とか〝ヒューヒュー〟と大きな息の音がします。風邪をひくと鼻水もなかなかとまりません。このまま放置しておいていいでしょうか。

回答

◎ほとんどが耳鼻咽喉科領域の原因

小児の鼻からのどにかけての道(上気道)は大人に比べて狭く、呼吸の障害が起こりやすい構造です。いびきや大きな息の音も狭い部分を空気が通るときに振動しておきますので、ご相談の症状から上気道の障害が疑われます。

このような症状は、大きな扁桃(へんとう)腺やアデノイドによっておこることもありますが、ご相談の方は11歳ですので、年齢的に原因と考えにくいように思います。お子さんは1年中、昼間も口を開け、鼻水もたくさん出るようですので、障害されている場所は鼻で、原因としては、子供に多いアレルギー性鼻炎(あるいは副鼻腔炎)による鼻づまりによるものが考えられます。

鼻水は副鼻腔炎ではねばく、アレルギー性鼻炎ではさらさらしています。小児のアレルギー性鼻炎はダニが原因によることが多く、アトピー性皮膚炎や小児喘息(ぜんそく)を持っている方も多いことが知られています。お子さんはいかがでしょうか。

小児期の慢性的な呼吸の障害は、放置すると、精神的、肉体的成長に大きな影響を及ぼします。症状も強くなってきているようですので、耳鼻咽喉科でご相談されることをお勧めします。

(鳥取県立中央病院耳鼻咽喉科・鈴木健男)