健康ア・ラ・カルト

【14)骨・関節・筋肉】  9)赤外線照射の効果と害

質問

78歳の男性です。赤外線照射機を買い求め、毎日腰や足関節、腕、肩に赤外線を1回20分間かけておりますが、効果はあるものでしょうか。また、毎日かけていても害はありませんか。

回答

◎一度医師の診察を

赤外線は温熱作用を持っており、物理療法の一つとして医療に用いられています。赤外線は皮膚表面から1センチくらいの深さまでしか届かないため、皮膚から浅い所を温める効果はありますが、深い組織に対する温熱効果はありません。したがって、手や足の皮膚から浅い部分の関節炎や腱鞘(けんしょう)炎、皮下の浅い筋肉の凝りなどに有効です。

効果の有無については、赤外線をあてていて「適度な暖かさで、気持ちがよい」という感じがあれば、効果があると判断してよいでしょう。「熱すぎる」と感じた場合には、皮膚が赤くなり、ひどいときにはやけどになったりしますので、赤外線照射機を離したり、照射時間を短くして下さい。照射機の種類や出力が不明ですが、一般に1回の照射時間は10分間以内で、1日1~2回が適当です。

大切なことですが、赤外線のかけ過ぎは、やけどや色素沈着を起こします。やけどは当然ですが、皮膚にまだらの色素沈着ができた場合には、中止して下さい。

また、血の巡りの悪い場所や湿疹(しっしん)があったり、感覚の鈍い部分に赤外線をあてることは大変危険です。このため、自分で勝手な治療をしないで、一度整形外科医に診てもらわれることをお勧めします。

(鳥取大学医学部整形外科・豊島良太)