健康ア・ラ・カルト

【1)加齢と病気】  6)持続する胸の痛み・肩こり・頭痛

質問

67歳、女性。3年前より胸の奥が痛み、耳鼻科、内科でそれぞれ内視鏡検査を受けましたが、特別な病変はないとされました。今年になっても胸痛が続き、本紙での胃食道逆流症の解説を読み、近医よりその方の薬を頂き、胸やけなどとれました。しかし、胸痛、咳(せき)、肩こり、首すじの痛みはとれず、ここ2~3カ月前より声も出にくくなりました。よろしくご指導下さい。

回答

◎骨粗鬆症の治療を

胸痛の原因は多彩です。のどにも胃にも内視鏡的に心配なかったことは何よりです。 ただX線撮影などで胸部に異常が見つからないこと、心電図で狭心症など特異な所見のないことが優先されます。早朝決まっての胸痛や体動後の胸苦しさなどがあれば、循環器の精査を受けられるべきでしょう。

胃食道逆流症は短期間服薬してよくなる病気ではありません。逆流の現象はずっと続きますからお薬は続けられるのが本当です。中断されればすぐ再発します。このたびの症状は経過からみて骨粗鬆症(しょうしょう)の関与が疑われます。女性は閉経とともに骨が脆(もろ)くなり、知らぬ間に背が低くなり、腰、膝(ひざ)、首すじが痛み、肩こり、手足のしびれ、後頭痛も起こります。背が丸く前かがみになると、脊椎(せきつい)に沿うように食道や気管もまがったりねじれたりして、のどのつまり、痰(たん)、そして声もかれてきます。頚椎(けいつい)、脊椎の側面像を撮ってもらうといろんなことを教えられます。座椅子(いす)を常用してよい姿勢を心掛けられると同時に、回り道をするようでも骨粗鬆症の治療を受けられるのがいい結果をもたらすかもわかりません。

(県医師会・西田龍之介)